だいすきな友と、ほんとうにいい日を過ごせました。その日のうちに日記は書けなかったけど、これから昨日の記憶をたどって行きます。
父から譲り受けた青春18きっぷを使って、県の真ん中あたりまで足を運びました。このきっぷがあればわたしはどこまででも行ける。そんな気持ちだったから、いつも以上に足取りが軽やかだったかもしれない。「歩き方っていちばんその人の個性が出るから、よく会う人だと歩き方でその人かどうか認識できる」「でも歩いてる本人は自分の歩き方のくせを認識できないよね」と話をしていたら「あなたの歩き方は楽しそうだ」と言われた。わたしはわたしの歩き方にどんなくせがあるのか、自分では認識できないけど、楽しそうならいいなって思う。今日だけの歩き方かもしれないし、普段は落ち着いた足取りで歩けているといいけど。
これは夕食前にした会話なので、一旦午前に戻ります。上諏訪駅で待ち合わせ。この街に来るのは2度目。この街といえばここ、とも言えるリビセンにとりあえず向かう。諏訪にはリビセンがあって、おそらくその影響で美味しいコーヒー屋さんや雑貨屋さんや花屋さんが集まり、あるいは100年も続くパン屋さんが今も街の生活に根付いていたり、古き良き街並みがあり、大きいスーパー(ツルヤ)もあり、何といってもおおきな湖がある、本当にいい街だと思う。
リビセンに寄ったら今日はたまたまタイ料理のプレートが食べれる日だったみたいで、これにしよ!となった(本当は行きたい食堂があったけど、コロナに罹ってしまったようでしばらくお休み…)。タイ料理、正直そこまで得意では無いからちょっと不安だったけど、今日のはとっても食べやすくて美味しかった。無事食べきれたことにほっとする。
その足で気になっていたお花屋さんへ向かう。今まで行ったお花屋さんで一番素敵だった。。しかもレコードまで売っていた。お花のディスプレイとか、色とりどりのドライフラワーを天井から吊り下げた空間があったりとか、全てが洗練されている空間。ヨーロッパの映画に出てきそうな。今日の旅は夜まで続く予定だったのでお花を買うのは泣く泣く断念したんですが、本当にかわいいお花があって(名前を忘れた)、あとは「ウチワヤシ」という文字通りうちわみたいな大きい葉っぱも売っていた。でもわたしたちはそれを「ウチワヤン」と読み間違えて、「ね、この葉っぱウチワヤンだって」「わ〜ほんとだ、ほんとにうちわやん笑」みたいな会話をしてしまい恥ずかしかった。たくさん笑った。
お花屋さんの後は、歩いて行ける距離にあるコーヒー屋さんに行った。このお店には去年も行ったことがあって、美味しかったのはもちろんなんだけど、割と混んでるタイミングで行ってしまったのにシングルオリジンの豆の説明を丁寧にしてくれたりとか、とてもいい対応をしてもらったから好きなお店だなあと思っていた。今日はルワンダのアイスを。浅煎りだけど甘みがあるのがいいなと思って選んでみたのだけど、どうやら正解を選べたみたい。酸味もあるけど、その中にキャラメルのようなちょっと焦がした甘みがあって美味しかった。最近何かとルワンダの豆を選びがち。
「このあとどうしようか?」
「松本にも行きたいお店あるんだよね」
「じゃあ行っちゃおう」
くらいの感じで松本に行くことに。松本にはいいお店がたくさんあるし、美術館では草間彌生の展示をしているらしくそれも気になったけど、全部回るには数時間だと全然足りなかった。きっと1日あっても足りないと思う。旅に来た時、ここに滞在するのは1日じゃ足りないなと思える街はきっといい街だ。友達が行きたかったというカフェと、わたしがずっと行きたいと思ってたカフェ兼本屋さん「栞日」に行って本を買った。最近はいろんな人の日記、というか日常を記録した文章を読むのが好きなので、武塙麻衣子さんの「驟雨とビール」と、植本一子さんと滝口悠生さんの「往復書簡 ひとりになること 花を送るよ」を購入。他にもタイトルや装丁に心惹かれる本がいくつもあったけど、家の床に積まれたこれから読むはずの本たちのことを思って2冊にとどめた。
夕食は再び電車に乗って安曇野の豊科という場所まで行き、家族が勧めてくれた「パーラーつばめ」で。食事もワインも美味しいと聞いてはいたけど本当だった。。お通しで出てきたなすのマリネからもう美味しくて、お料理の説明も丁寧にしてくれて、ナチュラルワインがあり、極め付けにはサマートリュフのリゾットまで食べてしまい、「幸せってこのことだよね」と言い合った。出てきた料理を最初のひとくち、食べてはあまりの美味しさに目を合わせてただ笑って頷き合った。こういう瞬間のことがわたしは本当に好きで、こういう瞬間を共有できる友達を持てたことは最高に幸せなことだと思う。ふとお店の入り口を見たら、諏訪の花屋で見た「ウチワヤシ」みたいな植物が飾ってあって伏線を回収したような気持ちにもなった。「ウチワヤン」は今日のハイライト。
帰りの電車でこれからのことを熱く語り合い、いつもの街に戻って帰路に着くのでした。この日のことを忘れたくないなあ。またいろんな場所に行こう。