20220910

デンマークの椅子と夏の夜の夢

朝から高速バスに飛び乗り、久しぶりの東京へ。池袋に降り立ち、人の多さに少し酔いながら、流れるように、あるいは流されるように上野へ向かう。
このタイミングで東京に行けたので、ずっと行きたかった東京都美術館の展示「フィン・ユールとデンマークの椅子」を観に行った。東京都美術館に行くのは3年前のクリムト展以来。デンマークの家具デザインの歴史を俯瞰しながら、フィン・ユールという人物にフォーカスを当てていく。彼が自分のデザイン事務所を構えたのが1945年だと知って驚いた。この年といったら第二次世界大戦が終結したというイメージしかなかったけど、世界の歴史はそれだけじゃなかったことを知れたから。フィン・ユールはデンマークの家具デザイン界では主流から少し外れた系譜にいたこと、内から外へとデザインする建築、椅子の曲線が空間にもたらす効果、どれをとっても面白かった。食事や何かテーブルに向かって作業をするための椅子と、座ることだけが目的の椅子と2種類あって、わたしも後者の椅子が欲しくなる。今の部屋には1人がけのソファをちょうど良く置けそうな空間があるので、どんなソファを置こうか夢見るにはとてもいい機会だった。

展示の最後にある、実際に椅子に座れるコーナーを思ったより楽しんでしまい、慌てて次の目的地・日生劇場に向かう。けどちょっと遅刻しちゃった。舞台「夏の夜の夢」を観にいく。髙地優吾さんがきっかけだったけど、こうして生のお芝居を観るのは今まであまりしてこなかったことだから、目の前で繰り広げられる芝居の、俳優さんたちのエネルギーにただただ圧倒された。生きてる、って思った。目の前に映る俳優さんたちも、それを観ているわたしも。普段は映画ばかり、舞台とは別の意味で完成されたものばかり観ているから、同じ時間や同じ空間を共有していることに不思議な感動があって、そこではマイクを通さずとも肉声が響き渡り、目の色や表情が実際の距離感で、実際のサイズで見えるのがよかった。予習なしで観に行ってしまったけど思ったよりコミカルな演出で、会場全体で笑いが巻き起こる感じが好きだった。生駒ちゃんがめちゃめちゃ喧嘩してたし、南果歩さんが舞台上で数十分眠ってる場面があって、自分だったらほんとに寝ちゃうだろうな、とかいらんことも考えちゃったけど。最後の妖精の子役の子が言ってたセリフがよかったな。カーテンコールで髙地さんがいつもの満面笑顔で手を振ってたのが最高でした。髙地さん素敵だったよ…!日生劇場の内装が貝殻みたいで可愛かった。

好奇心だけで、SixTONESとオードリーが来る数時間前のニッポン放送の前まで行ったあと、「今日って十五夜らしいよ、月見バーガー食べちゃうか」と言って風情も何もない月見バーガーを食べました。今夜の月はいつもより眩しい気がした。「夏の夜の夢」をみた夜、って感じがしてちょっと嬉しい。