今日観た映画:ジャン=リュック・ゴダール『はなればなれに』
昨日の日記に「朝風呂に行く!!!」などとデカめの決意を書いたにもかかわらず、しっかり寝坊して朝風呂チャンスは逃しました。こうなると思ったよまったく!!!(ところでこの「デカめの決意」というワード、四千頭身の漫才に出てくる「ケツ出す決意」みたいでおもろい。)
朝風呂チャンスを逃すと同時に、両親から電話で「上越までカレーを食べにいこう」とお誘いがあったので乗っかることにした。カレーを食べるために県境を越えるなんて、こんな楽しいことはないと思って。カレーはミールス風のプレートでとっても美味しかった。スパイスも野菜もたくさん摂取できて嬉しい。スパイスカレーを食べると元気になるな〜〜食べたあとの充実感がとても大きくてごきげんになったので、もしかしたら美味しいカレーは生活を整えるための要素になるかもしれない、なんて思った。
そのあとは直江津にあるデカい無印良品に行った。デカいから本もたくさん売っていて、そこはジャンル分けやセレクトにかなりこだわっている書店のようでとてもよかった。気になる本をいくつか見つけて全部買いたい気持ちになったけど、イ・ランの『話し足りなかった日』だけ手に取り、あとはいつも通りの無印での買い物をして帰った。
新潟は台風の予兆のせいかかなり蒸し暑かったので、長野に戻ったら「ジェラートが食べたいね」となって小布施の美味しいジェラート屋さんに寄った。ちょうど新栗の季節なので、小布施で車を走らせているとたくさん実のついた栗の木ばかりが目につく。残念ながら栗のジェラートは売り切れてたけど、なんやかんやいつも選んでしまうピスタチオのジェラートはやっぱり美味しかった。お店の方の好意でひと口だけもらった蕎麦のジェラートもとても美味しかったので、次来たらこれにしようと思う。
帰宅してコーヒーを淹れたあと、もう何年も前からずっっっと観たいと思っていた映画をやっと観た。ゴダールの『はなればなれに』。3人で踊るあの有名なシーンを目にしたとき、わたしはこの映画を愛さずにはいられないと思った。この映画のどんなところが好きか、どんなふうに好きか、なんて言葉で説明できる範囲を軽々と超えていく。自分の中に巻き起こるこの感じがとても楽しかった。ありがとうゴダール。あなたが生きているうちに、あなたの映画を映画館で観れたことは紛れもなく幸運なことだった。
冒頭から少し経って「遅れてきた観客のために 映画の要点を説明しよう」とモノローグが入ることで、映画の作り手とそれを観ているわたしたちの距離が一瞬で消え去ってしまう。もう大好きだ。60年も前に作られた映画なのに、このひとことで60年という時間の長ささえもほとんど無いように感じられた。これを映画館で観れない悲しさったらない。いつか映画館で観たい。
映画を観ることの歓びとはこのことで。映画に限らず、言葉を超えて好きだと思えるものと対峙する瞬間、体温がぐっと上がり、自然と広角が上がってしまう瞬間のこと。これらは容易に言語化できるものではないし、全て言葉にして吐き出してしまったらこのありあまる歓びを手放してしまうというか、雑に上書きしてしまう気がするのでやめておこう。自分の中にしばらく留めておきたい。観てよかったと、今言えるのはそれだけ。