今日観た映画:松永大司『エゴイスト』(2023) ※ネタバレを含みます。
休日。予定(観ようとしている映画の上映回)は午後からなのでゆっくりしていたら、ギリギリになってしまった。いつものパターン。YouTubeで『RRR』のナートゥの動画を見ている場合ではなかったらしい。でもつい見てしまうんだよね。
雪が降る中、駅まで走ったけど結局乗りたかった電車には間に合わなくて、でも映画の上映時間にはどうしても間に合わせたかったので、少しお金を出して12分間だけ新幹線に乗ることにした。在来線で45分の距離は、実は12分で行けてしまう。何やってんだろ、と思いつつもちょっとだけ乗る新幹線は少し楽しかった。このまま東京まで行っちゃいたいとも思った。
スクリーンに到着した頃には予告編が始まっていたけど、予告編の時間、つまり本編が始まる前には座席に座ることができたので、間に合ったということにしておく。公開初日なのに、お客さんは後ろの方の席にもう1人いるだけだった。大雪だからかもしれないけど。
『エゴイスト』恋愛映画と思って観に行ったけど、後半の展開が想像とは違って、いい意味で裏切られた感じ。愛についての映画だった。浩輔さんが龍太にしたこと、与えたものはエゴに見えることだけど、ではあれが「全く持って愛じゃないのか」と問われれば素直に頷けなくて。それはきっと浩輔さんの、龍太に対する愛や、龍太のお母さんに対する愛を感じられたからだと思う。その行為が、自分の欲を満たすためだけではなく愛によるものだと、十分すぎるほど分かったからだと思う。
龍太のお母さんのセリフ「受け取った側が愛だと感じていれば、それは愛なの」というのが、自分にとっても大きな発見だった。愛のつもりで与えていても、受け取る側がそう感じていなければ押しつけになってしまうし、それこそエゴになってしまう。逆に意図せずこぼれた優しさに誰かが愛を感じたなら、それは愛と呼んでいい。愛は与えるものであり、感じるものでもある。愛を感じるかどうかは、その人の自由であり、守られるべき尊厳。
インスタグラムのストーリーを見ていると、同じ街に暮らす知り合いも『エゴイスト』を早速観ていたようで、自分とはまた違った感想を抱いているみたいだった。忘れちゃってる箇所とか見落としている要素が全然ありそうだなあ。パンフレットに載っている児玉美月さんの寄稿がとても良いみたいなので、もう1回観に行ってパンフレット買ってこようかな。
夜は知り合いに誘われて、映画好きな人と映画について語り合う飲み会に参加した。大雪なのにわざわざ電車に乗って映画を観に行ったのはこのためでした。とても楽しい会だった。年齢も暮らす街も好きな映画ジャンルもみんなバラバラだけど、だから面白かったと思う。『トップガン マーヴェリック』への揺るぎない愛を語り尽くしていたり、『イニシェリン島の精霊』についての熱い議論を聞けたり。『イニシェリン島〜』は数日前に観ていて、面白かったけどかなり地味な映画だったし、わりと意味わからない部分もあったので、同じテーブルで話が盛り上がっているのがすごいなと思った。その様子は面白くて、会話を聞きながら自分の中で解釈を深めたりもできて良かった。観といて良かったと思った。芋焼酎のお湯割りを飲んでいたら完全にいける口だと思われた。
終電に間に合うように、雪のなか駅までみんなで走ったのが青春っぽくてなんか良かった。楽しい夜だった。