20230418

今日観た映画:松本壮史『サマーフィルムにのって』(2020)

最悪のタイミングで洗濯機を回してしまい、友だちとの約束の時間に少し遅れる。ここ最近は人と会う約束をしていても9割は遅れている気がする。わたしのこういうところ、非常によくないな〜と思う。もうちょっと早く起きよう。

友だちは車で来てくれていたので、遅れるとメッセージを入れたら「途中まで迎えに行こうか?」と訊いてくれて、近くの公園まで来てもらった。ありがたい。ごめんねとも思う。集合時間と場所をこちらから提案したのに全部守れなかったから。

お昼ご飯は気まぐれなお店で麻婆豆腐定食とからあげ定食(何となく「唐揚げ」よりも「からあげ」と平仮名で書きたい)を食べた。このお店はからあげ定食と、もう一種類気まぐれなご飯ものがあって、今日のはいつか食べたいと思っていた麻婆豆腐だったので迷わずそれにした。小鉢に蕗味噌があって春を感じる。泡なしの生ビールも飲む。

今日会った友だちは同じ高校で出会った人で、会うのは3年ぶりくらい、とりあえず元気そうで安心した。彼は彼なりの事情があってこの地に戻ってきて、そのことに落ち込んでいるというか自信を無くしていたのだけど、全然そんな必要ないのにと思った。あなたはあなたのままで十分素敵なんだから、周りと比べて自分に足りていないことについて、そんなにコンプレックスに感じることないのに。

お昼ご飯を食べたあとは、車を走らせてずっと行ってみたかった喫茶店へ行くことにした。古民家を改装した店内は古道具の家具や照明が置かれていて、時の流れがゆっくりとした、とてもいい場所だった。深煎りのコーヒーがとてもよく似合う場所で、実際に飲んだ深煎りも美味しかった。持ち歩いていた本を見せ合って、少し読み進める。わたしが持っていた「ティンダー・レモンケーキ・エフェクト」にも興味をもってくれたようだった。同じテーブルで読書をしていた別のお客さんが、わたしが持っていたのと全く同じ弐拾dB のブックバッグを持っていて少し話した。お互いこのブックバッグを持っている人に出会うのは初めてだったようで、静かな店内で少し盛り上がった。この方はブックバッグがいっぱいになるくらい本を入れていていいなあと思った。

もともと好きな音楽とか映画の話をしてきたことで縁を保っていたところがあったので、音楽とか映画とかお笑いとかいろんな話ができて嬉しかった。Podcastも聴いてくれているようで嬉しはずかし、そういえばPodcastを聴いてくれている人と直接会って話したのは初めての体験だったかも。車の中でOasisやカネコアヤノやスピッツの「ハチミツ」を流してくれて、少し口ずさんだ。カネコアヤノの歌詞について話しているときに、彼女の歌詞には特定の性別をあまり感じないことに気づいて、だから好きなんだなと自分の中で発見があった。きっと自分だけではできなかった発見な気がして、こういう発見ができたとき、人といることの喜びや面白さを実感する。今日、あなたに会えてよかったと思う。

そのあとは小さな本屋さんに立ち寄って、彼は次の予定があるからとここで別れた。わたしはもう少し本を見たくてお店に残る。雑誌がいっぱいあって楽しい。アジア映画特集の雑誌と迷った結果、装丁や中身のリソグラフ印刷に惹かれて「NEUTRAL COLORS」の最新号を買った。欲しいなと思っていた「TRANSIT」のスパイス特集などもあったので、近いうちにまた行こうと思う。

夜はAmazonプライムでレンタルしていた『サマーフィルムにのって』を観る。普段自宅で映画を観るときって集中できないことが多いけど、この映画は序盤の方ですっと惹き込まれてめずらしく一気に観れた。映画への愛が伝わってきてとてもよかった。「お耳に合いましたら」にも共通するテーマなんだけど、好きなものを好きでいること、声高らかに好きだと表明することについての映画だと思った。それは煌めきに満ちたとても素敵なことなんだと。ライバルでちょっと鼻につく女の子の「美しくなくても好きだと言いたい」というのもよかった。
伊藤万理華さんの、瞳に魂が宿る感じとか、ラストシーンのアクロバティックだけどしなやかな身体の動きとか、全部がよかった。デコチャリ照明マンが全部面白くて最高。ラストシーンには自分でも驚くほど勇気をもらったしぼろぼろ泣いてしまった。「好き」を表明することって勝負でもあって、わたしも勝負したい、そろそろ勝負してもいいかもと思った。この映画を作ってくれてありがとう…!

日付が変わってる。4月19日。この数字の並びは父の誕生日だ。朝起きたらメッセージを送ろう。