20230511 塩パンが空を飛んだ日

今日観た映画:ヴィム・ヴェンダース『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999)

パーマをかけた髪がちょっと伸びてきて、最近は犬みたいな髪型になってきたなあと思っていたのだけど、今日は全然犬じゃなかった。おそらくセットする時にテキトーにドライヤーしたせいで、左半分はパーマが出てハネているけど右半分はきれいに内巻きになってしまって、正面から見ると左側のひどい寝癖を直してない人みたいだった。右側から見ると内巻きのボブで、左側から見るとパーマでわりとふわふわしている。鏡を見るたび「なんか変〜〜」と思いつつやり過ごした。

Twitterを見ていたら、昨日から近くのラジオ局でannkwの東京ドームのステッカーを配布しているとの情報を見つけて、昼休憩でもらいに行くことを決意。この気持ちだけで午前中を乗り切る。まだ枚数に余裕がありそうなのは分かっていたけど、テンションが上がって配布場所までちょっと走った。遅刻以外の理由で走ったの、久しぶりだったかも。50mくらい先に同じ方向に向かって歩いてる人がいて、「もしかしてリトルトゥースかな…?ちょっと小走りに見えるし、同じこと考えてる人って案外近くにいるもんだな〜」とか思ってたら、なんかの業者の人だったみたいで警備の人に書類をたくさん渡していた。全然違った。ステッカーは無事にゲットできた。ゲットしたからには東京ドーム行きたいね〜

その流れで近くのパン屋さんで塩パンなどを買い、お気に入りの公園で食べる。今日は天気がいいのに風がかなり強くて、野良ランチ(公園でお昼を食べることを勝手にこう呼んでいる)にはちょっと向いてなかった。風が強すぎて、ふと目を離した隙に小さな塩パンが飛ばされたのは面白かった。ベンチに置いてたはずの塩パンが完全に視界から消えていて、1メートルくらい先の背後の地べたに落ちていた。初めて塩パンが空を飛んだ日だと思う。塩パンは綺麗に袋に包まれていたおかげで無事に食べれた。
大きな木の下を丸く囲うベンチに座っていたのだけど、コーヒーの最後のひとくちを飲もうと上を向いたら、風に揺られた葉っぱが煌めいていた。上を向いたらこんな景色が広がってるなんて思いもしなかった。ものすごく綺麗な瞬間を見れた気がした。写真では上手く伝わらないけど、映画にこういうシーンがあったら好きだなって思う瞬間だった。f:id:shukujitsu0836:20230512020257j:image

退勤して観た『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』がとても良い映画だった。今作は主にキューバを舞台に撮影した、同名のバンドを追ったドキュメンタリーで、ライブやレコーディングだけでなくメンバー1人ひとりにフォーカスしていくのが良かった。フィクションでもドキュメンタリーでも、ヴェンダースの撮る映像は土地や建物の特徴をちゃんと捉えていて好きだ。ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ、通称BVSCの奏でる音楽はひとつもとがった音や声がなくてとても心地よかった。中でもピアニストのルベーンの弾くピアノの音色は、しなやかな優しさというか、芯のある柔らかさが滲み出ていてすごく好きだった。この人のピアノはずっと聴いていられる。人柄の印象も音と全く一緒で、観ているうちに大好きになってしまった。80歳だという彼の手はとても綺麗だった。帰宅してBVSCの音源を聴きながらちょっと踊った。